徒然白書

学んだこととか、聞いたこととか

世界史をどのように学ぶか

人は自分が経験していないことを理解しがたい。

世界史はヨーロッパやアメリカなどの「西洋史」を中心に描かれることが多く、故に日本人には分かりづらいのではと思う。

こと僕に関しては、高校時代に学年最下位を取った程度には世界史が苦手だった。

 

詳説世界史研究』を読み始めて3か月、昔ほど世界史に苦手意識は無くなってきたので、なんとなく思うことを書いてみる。

(まだ西洋史、しかも世界大戦前までしか読んでいないが。)

 

◾️なぜ世界史がわかりづらいのか

①範囲が広い

当たり前だが「世界の歴史」なのでありとあらゆる国が出てくる。

先史*1を除いても軽く3000年はある。長い。

また、『詳説世界史研究』をはじめとして、参考書の多くは歴史を古い順に書き進めている。

情報量の多い世界史で時代順に学習を進めていくと、序盤の内容はもう大体覚えていない。

そして、結果的には縦(一地域の歴史)も横(一時代の各地域の出来事)も中途半端になってしまう。

 

②必要な知識が多い

世界史に限らず、歴史一般をしっかりと理解しようとすると、政治・経済の知識をはじめとして、宗教や学問、芸術など広範な知識が必要になる。

そのため、結果として”ただ暗記する”だけで終わってしまい、記憶に定着しづらくなる。

 

③宗教観

世界の歴史は往々にして宗教の歴史でもある。(は、言い過ぎかもしれないが。)

そして、信仰心が当時の人々の意思決定にも強く反映されている。

日本人は他国に比べて宗教観の薄い国民性であるから、世界史における行動原理をそのまま受け入れるのが難しいのではと思う。

 

④日本の歴史的・地理的独自性

世界史を学んでいると、日本という国はかなり特殊な歴史を辿っており、それは日本の地理的特徴によるものであると感じた。

 第一に、島国であること。

 第二に、東に太平洋、西に中国と朝鮮を擁すること。

 第三に、西欧諸国から近すぎず、遠すぎずの距離にいること。

これらの地理的特徴によって、日本はどの時代においても、諸外国の侵攻を受けない比較的安泰な国家形成を育みつつ、外からの最新鋭かつ豊富な文明・文化を享受することができた。

そのため、日本の独特な歴史背景をベースに世界史を学ぶと、乖離が起きるのではと思う。

 

◾️世界史をどのように学ぶか

①マクロから学ぶ

学校で日本史を習った人であれば、なんとなくでもざっくりとした日本史の流れ(旧石器→縄文→弥生→・・・→明治→大正→昭和)はわかると思う。

世界史も同様に、まずは全体の大きな流れを理解してみることで、よりミクロな視点に移っても、今、自分がどの時期にいるのかを把握しやすいのではないか。

(とはいえ、一時代・一地域のミクロの歴史を学ぶのは、それはそれで楽しい。個人的にはジュリアス・シーザーユリウス・カエサル)の生涯がおすすめ。)

 

②好きな分野から入ってみる

何事にも歴史というものはある。

実は、僕が『詳説世界史研究』を読み始めたのも、西洋美術史(特にルネサンス期)への造詣を深めるためである。

例えば、コーヒー好きな人はコーヒーの歴史*2を学ぶことで、植民地時代の勢力図や三角貿易などを自然と学ぶことができる。

他分野でも下地としての知識があるだけで、歴史は理解しやすくなる。

 

③宗教について知る

これは世界史を学ぶという本筋からは若干逸れるが、三大宗教(キリスト教イスラム教・仏教)については知識を持っていて損をすることはない。

まずはYouTubeの『10分でわかる○○』*3*4みたいな動画でざっくり理解するだけでも十分である。

日本人が考える以上に、宗教が歴史に与えた影響は計り知れない。

 

 

まあ、なんであれ、世界の歴史を知るって楽しい。

歴史を知ると、地理がわかるし、旅行に行きたくなる。

歴史がわかると、海外ドラマもより楽しめたりする。

 

 

最後に、おすすめ。

詳説世界史研究

ヒストリエ*5

ジュリアス・シーザー*6

RRR』(2022)*7

ローマの休日』(1953)*8

 

 

*1:文献に残る以前の時代

*2:YouTubeリンク『10分でみる コーヒーの歴史 エチオピアからスタバまで』

*3:YouTubeリンク『宗教の歴史を10分で簡単にわかりやすく解説!【ユダヤ教、キリスト教、イスラム教】』

*4:YouTubeリンク『キリスト教 カトリックとプロテスタントの違いを超わかりやすく解説』

*5:アレキサンダー大王に仕えた書記官・エウメネスの生涯を描いた漫画。

*6:シェイクスピアの戯曲に基づく映画。古代ローマの天才的指導者シーザー(カエサル)の暗殺とその後を描く。

*7:イギリス植民地時代のインドを舞台とした2022年のインド映画。序盤ちょっとだけグロいので注意。

*8:名作ラブロマンス映画。ローマってマジで遺跡まみれなんだってビビる。